季節の話:湿気の話
もうじき梅雨になりますね。ご存知の通りこの時期は“湿気”というやつが悪さをします。この“湿気”というやつは、“湿気”と書くくらいですから、字のごとく“湿”の性質を持った“気”であるわけです。また、私たちが簡単に感じることのできる“気”の一つでもあるということを端的に示している言葉とも言えます。

では、この“湿気”というものはいかなる気なのでしょうか。唐代の韻書『広韻』に「湿。水霑也(水のうるおい)」とありますから、基本的には水と似た性質を持ち合わせている“気”ということになります。ですから、そこから類推されるそのあり方は、位置で言えば下の方にたまりやすく、なかなか乾かずにそこでものをべたつかせ、その場をさらない(定着する)といったものになります。

実際に外界ではではどうでしょう。
○例えば、ビルや学校の1階はものすごい湿気ですよね。ひどい時は、地面がびたびたですべってしまいそうになります。
○例えば、紙。湿気のせいでしなしなになり、少しふくらみます。
○例えば、洗濯物。湿気のせいでいつまでも湿っています。おかげで腐って臭くなってしまいます。

いろいろと困ることだらけですね。人の体だって例外ではありません。
●例えば、ビルの1階の地面のように体の下がびたびたになります。具体的には大便がゆるくなったり足がむくんだりします。体の中もびたびたなんですね、つまり。
●例えば、しなしなになってふくらんだ紙のように体に力が入らなくなったり、手足などがむくんだりします。
●例えば、いつまでも乾かない湿った洗濯物のように体がべたついて重くなります。そのせいで、気分も重くなりますね。ついでに食欲も落ちたりします。また、洗濯物が臭くなるように、体臭も臭くなったりします。

ほかにもたくさんあります。
◎例えば、湿疹という症状もあるくらいですから、湿の名がつく病気はひどくなります。アトピーの人は大変嫌な時期ですね。
◎例えば、古傷がうずくというのもそうですね。似たもので坐骨神経痛やヘルニアが悪化し、しびれや痛みがひどくなるということもあります。
◎例えば、頭がさえてしまって夜寝られなくなる、あるいは悪い夢をたくさん見るというのもありますね。これは、この時期かなり多いですね。うつ病の方も不眠がひどくなりやすいですね。
◎例えば、うつ病あるいはうつ状態が悪化します。魏の時代の字書『広雅』釈詁に「湿。憂也」とでてくるくらいですから、“湿気”と“憂い”の関係は深いようです。
◎例えば、むねがつかえて食欲がでないとか、食べたらお腹が張ったりします。ひどくなると嘔吐をしてしまいます。うつ病などの延長でそうなる方も多いようですね。

このように、“自然の状態”と“私たちの体の状態”は同じなんですね。常に“自然の変化(暑さ、寒さなど)”の影響を受け、体も同様に変化をしているわけです。

H17/05/20 18:24 小訂


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